【読書録】「人は死なない」 矢作直樹 【本】

皆さんは死後の世界や、霊魂の存在などを信じますか?

小生は自身で何度か、科学合理的にはどう考えても説明がつかない体験をしているので、死後の世界や霊魂などは楽勝で存在しているのだろうと考えています。

ただ、こういうったスピリチュアルなお話は、再現してみせたりすることができないので、誰かに向かって「死後の世界はあるよ」、と話す気はありません。

むしろそういった行為は、現実的には小生の日々に大なり小なり面倒くさいことをもたらすだろうと考えています。(変な噂が立ったりとか)

死後の世界や霊魂の存在などは、人それぞれの感性で感じるものではないのかと思います。

誰かに強く勧めても、余計な誤解を生むことのほうがおおいのではないのでしょうか?

小生自身、自分が不思議な体験をするまでは、占いやスピリチュアルなど、まったく信用していませんでした。

 

自分がスピリチュアルの世界に関心を持ち始め、いくらかの本にあたってみて、本によって書いてある内容がまちまちなので、結構面食らいました

人智を超えた世界の話は、まさに人智を超えているのであり、人間にはその全ては理解できないのだ。それぞれの人が、それぞれの感性で感じるしかないのだ、と今では考えております。

 

そんな中で、矢作直樹先生は、東大医学部で救急医療分野の教授と、東大病院の集中治療分部長という、公的に信頼の高い職務につかれ、また、死後の世界の存在について、肯定的な意見を発表されておられるので、スピリチュアルに関心を持つ多くの人々から、その書籍が読まれ、支持を受けていられます。

 

矢作先生の死後の世界に関するご意見は、こちらのインタビューで参照いただけます。

gendai.ismedia.jp

 

 

本書は矢作先生の最初の著書で、なぜ先生が死後の世界に思索を向けるようになったのか、具体的な心霊体験者たちの話、過去スピリチュアルを研究した著名な研究者や歴史上の人物の話、近代スピリチュアルの成り立ち、どのようにしてスピリチュアルな世界と向き合い、また充実した人生に向けて生きていくべきか、などが記されています。

 

人は死なない?ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索?

人は死なない?ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索?

 

 

本書の中にある、霊に取り憑かれた女性の話は圧巻です。

女性は元々人の感情に引きこまれやすい性格だったそうです。

感情をよく理解するので、多くの人から相談事を受けたりしていました。

ある頃から女性は体調の不調を感じるようになりました。家族のすすめで気功を始めてみたら、体調が非常に改善したのを感じます。

しかし、その頃から、多くの霊から話しかけられるのを感じ始めたのだそうです。

その中で、非常に悪質な女性の霊から執拗に話しかけられるようになります。

霊は女性の身体を貸して欲しいと懇願します。

女性は時々霊に身体を憑依されるのか、知らぬうちに電車を乗り過ごしたりすることが多くなります。

霊は執拗に女性に懇願するようになりました。当時女性にはフィアンセがいましたが、霊はそのフィアンセや女性の周りの人間、女性自身にもっとひどいことをしてやる、と脅しをかけるようになりました。

フィアンセは女性の状態を理解し、心配し、家族との同居を勧めます。時々憑依される女性が一人になる状況を心配してのことでした。

女性は家族と住むようになるのですが、ある日、女性は留守で家に一人残されました。

ここからしばらく女性の記憶は途切れます。

気が付くと、彼女は以前暮らしていたマンションの8階の部屋に居り、そしてベランダを飛び越えてしまいました。

 

救急搬送された女性は、矢作先生の施術を受けます。

通常このような状態だと、意識はもうろうとしているか、支離滅裂になっているそうですが、この時、この女性の意識がはっきりしており、ベランダから飛び越えてしまったと言っていたのが、後になって矢作先生の気になったそうです。

気にかかった矢作先生が女性に連絡を取り、女性から伺ったのが上記の話です。

 

女性は結局下半身が不随になり、車いすの生活になりました。

フィアンセの方と結婚し、子供も授かり、今は幸せに暮らしているということです。

事故以来霊に話しかけられることはなくなったのですが、体調改善のためと気功を再開したら、再び霊に話しかけられる感覚があり、気功はやめてしまったそうです。

以来、心霊体験はしなくなったそうです。

 

女性自身はこの事故を通して、今まであったことの本当のありがたみを感じるようになり、今をあるがままに受け入れ、幸福を感じられるようになったと話しているそうです。

これを読んだ小生としては、いささか複雑な気持ちでもあるのですが、矢作先生は「病は道の入口」を実践された、とお考えのようです。

 

 

矢作先生は子供の頃から、人は死んだらどうなるのだろう?なぜ「良心」というものが存在するのだろう?と、素朴に感じていたのだそうです。

もし、人が死んでおしまいなら、どんな悪事を行おうと、どれだけ人に迷惑をかけようと、死んだらそれで全て無いことになってしまうはずである。

だとしたら、なぜ人に「良心」が存在するのだろう?

このような生来の感性と、救命医療に従事しているうちに、人の身体や生命が教科書通りにいかない事実、患者さんの個別性、特にその治ろうという意志が治療の成果に大きな影響を与えているようだという感覚を得ることによって、西洋医学だけでは捉えきれない生命の神秘と奥行きの深さを感じるようなり、スピリチュアルの文献を調べたり、また人との付き合いの中からその知見を深めていかれます。

 

 

スピリチュアルの世界は本当に難しくて、最初に小生が申し上げたように、人によっていうことはマチマチだし、悩む人々をお客さんにしようとする、あやしい輩が多くいることも事実です。気をつけなければなりません

小生もスピリチュアル的なものは存在するのだろうと考えますが、具体的に誰かに師事したり、誰かの考え方をそのまま取り入れたりできるようになるほど、素直にはなれていないというのが正直なところです。

特定の信仰もありません。

 

そんな中で、矢作先生のお考えや書籍は、非常にバランスが良いな、と感じています。

本書は近代スピリチュアルの歴史などについても、わかりやすく概略を説明されており、関心がある方、初学者の方向けに非常に良い本だと思います。

 

より、スピリチュアルの事例について関心がある方にはこちら

 

神(サムシング・グレート)と見えない世界(祥伝社新書308)

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そういった、スピリチュアルの世界を感じたうえで、どのように生きて行くべきを考える上ではこちら

 

生き惑う人へ

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 をおすすめします。

 

 

ご定年だと思われるのですが、この3月で矢作先生は東大、及び東大病院をご退任されました。

今後、矢作先生がどのような方面に進まれるのか、FB等でもまだ明確にされていませんが、機会があればぜひご師事願えないものかと考えております。

 

 

さて、以下再掲ですが、こちらの映画もおすすめです。

 

この映画、小生も立川の上映会に参加してみたのですが、輪廻転生を考える上でとても良いと思います。

| 映画「かみさまとのやくそく」公式サイト

前世、中間生(前世と今世の間、いわゆるあの世での記憶)、胎内記憶を持つ子供たちのドキュメンタリーインタビュー映画です。

池川明先生という産婦人科医の方が中心になって進められているプロジェクトです。

どうもお産婆さん達の間では、前世記憶がある子供たちが一定の割合で生まれてくるのは、昔からの常識だったらしくて、とても興味深い話が聞けます。


映画「かみさまとのやくそく」(神との約束)【予告编】 - YouTube

 

この映画、残念ながら今のところDVD化とかの予定はないらしいのですが、興味があれば是非。

 

 

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